海外ニュース ~再生医療について~

最近、3Dプリンターを使った再生医療などの発達が本当に目覚ましいですね。

小耳症患者にとっても、将来的に耳の形の治療法の1つとして期待されています。

そんな中、「3Dynamic Systems」というイギリスの会社が

「小耳症の治療に適した3Dバイオプリンティング技術を開発した」

というニュースがありました。

3Dynamic Systems' crosslinking 3D bioprinting method could one day be used to treat Microtia

英語のニュースなので、簡単に日本語訳にしてみました。

非常に専門性の高い部分や用語に関しては割愛したりそのまま英語表記にしています。

あくまで素人目線での日本語訳ということで、ご了承ください。

小耳症患者向けに画期的な3Dバイオプリンティング技術を開発

3Dynamic Systems社の研究チームは再生医療の分野、特に生まれつき耳の奇形を伴う小耳症の治療法として期待される画期的な3Dバイオプリンティング技術を開発した。

このバイオプリンティング技術は精度の高い組織構造を創り出すために、「デュアル・イン・サイチュ・クロスリンギング」と「ポリマー・バイオインク」を使用している。

3Dynamic Systems社の創設者であるダニエル・トーマス医師は『Dual in situ crosslinking of polymer bioinks for 3D tissue biofabrication,』という研究論文をジャーナル『3D Printing in Medicine』に投稿した。

小耳症の子供を持つ親や本人からメッセージが殺到

トーマスがこのバイオプリンティング技術の開発を手がけたきっかけは、将来的に小耳症の治療法として期待される3Dバイオプリンティングについて記した『Could 3D bioprinted tissues offer future hope for microtia treatment?』の論文を執筆した後のことである。

この論文が発表された後、耳の奇形を伴う小耳症の子供を持つ両親または本人からのメッセージやリクエストが3Dynamic Systems社に殺到した。

そのほとんどは小耳症の新たな治療法としての期待と興奮を表した内容だった。

このトピックに関する全ての反応を見て、トーマスはバイオプリンティング技術の開発に注力することを決めた。

彼は「我々ができる限りのベストの方法としてこの技術の開発に集中することを決めた」と説明した。

「これは目先の利益を得るための手段としてバイオプリンティング技術の開発に専念するというよりも、これを必要としている人たちのために何より重要なこととして技術開発に専念することを決意したと意味する。」

3Dynamic Systems社が掲げた3つのゴール

このバイオプリンティング技術を開発するにあたり、3Dynamic Systems社は3つのゴールを設定した。

1つは、高分解能蒸着を可能にする新たなハイブリッド・ハイドロゲルを操作すること

2つ目に3Dプリントされた生体組織が培養可能な環境の下でも複雑な構造を保つことができるイン・サイチュ・クロスリンキングを使用すること

3つ目に3Dプリントされた生体組織が初期の軟骨前駆細胞を作り出すことを可能にすることである。

会社が最近特許を取得したイン・サイチュ・バイオプリンティング技術は2つのシリンジポンプを使用している。

1つは1mlあたり3500万の軟骨細胞が含まれているバイオインクのシリンジ、もう1つは塩化カルシウムのシリンジである。

2つ目のシリンジはプリントする過程でハイドロゲルベースのバイオインクをクロスリンクするために使われる。

このプリンティングプロセス自体はダイレクト・デゥアル・エクストリューション技術を使用することで完成する。

一旦バイオプリントされた構造が完成したら(例えば耳など)、組織構造を維持し、組織として成熟する時間を要するために攪拌培養器に移される。

その後この耳はシリコンの一種であるジメチルポリシロキサン(PDMS)ポリマーの型に移される。

これはバイオプリントされた形が組織成熟する間も維持させるためのものである。論文で示している通り、3Dバイオプリントされた耳は3週間生きた細胞を保つことができる。

3Dバイオプリンティング技術は大きな可能性を秘めている

もちろん、バイオプリントされた耳が実際に人間の頭に移植される前に解決すべきことがまだある。

しかし、3Dynamic Systemの研究が将来的な再生医療の分野において非常に重要かつ基礎となることは変わらない。

「3Dバイオプリンティング技術は組織工学において大きな力を秘めた活用法である」と医師トーマスは述べている。

「組織の成熟過程を理解することで、新たな組織構造を生み出すことが可能になる。

私たちは次のステージ立っており、そしてレーザー3Dバイオプリンティングという新たな技術にフォーカスしている。

この新たな技術は伝統的なスタイルであるシリンジベースのバイオプリンティング技術をはるかに凌駕し、さらに進化することは間違いない。

いつか我々の研究の成果が人々に役に立つことが私達の目的である」

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